言葉を覚え始めたばかりの子供は、話し方もたどたどしく、とても可愛く感じます。
「早くたくさんお話できるようにならないかな」と思ったのも束の間。
好奇心旺盛な子供は、事あるごとに
「これ何?」
「あれは何?」
と、やまない質問攻撃にあい、同じ事を何度も聞いてくる事さえあります。
何でこんなに質問ばっかりなんだろう・・・と思った事はありませんか?
終わらない「これ何?」の理由
子供には、3~6歳頃に「質問期」と呼ばれる時期があります。
何か見ては「これ何?」「なんで?」「なんであれはダメなの?」と、うんざりするくらいに聞いてきます。
これは、学習方法の1つで「フォーマット」と呼ばれます。
知りたいものの名前を親に聞き、子供が自分でも真似をして言ってみます。
そして、「これは〇〇なんだ」と理解をします。
フォーマットは、この親の真似(模倣)と理解を繰り返し行い学習していく過程の事です。
赤ちゃんから幼児へ
「ママ」「パパ」など、言葉を覚えたての赤ちゃんは単語しか話せません。
成長を重ねていくうちに、単語と単語を繋げて主語と述語が言えるようになってきます。
例えば、犬を見て「わんわん」としか言えなかったのが、「わんわん、いた」と言えるようになるなど、単語から文章を繋げられるようになってくるのです。
赤ちゃんの頃は、大人の方から「わんわんがいたね」「電車が見えたね」など、言葉をかけていきますが、次第に子供の方から「あれ何?」と聞いてくるようになります。
1歳半から2歳頃までの時期は、急激に言葉を覚えていく時期で「語彙(ごい)爆発」と呼ばれる事もあります。
子供が言葉を覚えていく過程で、親からの言葉かけや絵本の読み聞かせは、とても重要なものなのです。
質問責めにうんざりしてしまう事もありますが、きちんと答えてあげる事は、子供が成長していく上でとても意味のある行為です。
好奇心を伸ばすために
実践してほしい関わり方
●関連するものを一緒に調べる
●時には違う答えを言い、子供が正解の答えを言えたら褒める
いつも同じ質問をされるのであれば、逆に子供に質問をしてみましょう。
「これは何?」と聞かれて、いつも「イルカだよ」と答えているのなら、今度は「〇〇ちゃんは何だと思う?」と質問してみましょう。
子供自身の考える力が育ちます。
そして、「これは何?」の質問に「イルカは海の生き物だよね。ほかの海の生き物を一緒に調べてみようか」と言ってみて下さい。
子供は喜んで調べてくれます。
たまに「これはラッコかなぁ」とわざと言ってみて、子供が「違うよ。これはイルカだよ」と言えたら褒めてあげましょう。
子供は褒められることも大好きです。
子供の手が届く場所に図鑑や本など置いてあげると、分からなくなったら自分で調べるようになります。
親がやってはいけないNGパターン
●「何度もしつこい」
●「いまダメ!後にして」
家事に育児に忙しいと、ついつい子供の「なんで?」を邪険にしてしまいがちです。
でも、子供は繰り返しが大好きで、自分が聞いた事に同じ答えが返ってくる事を分かっていながら聞いてきます。
聞いても適当な答えしか返ってこなかったり、質問に答えて貰えなかったりすると、子供は質問をしてこなくなり、好奇心や学習意欲が育ちません。
質問に自分が答えられない時は、「ママも分からないの。一緒に調べてみようか」と、伝えてあげると、分からない事を調べるという行為を学習します。
子供の可能性を伸ばそう
はじめは子供は勉強する事が大好きです。
いろいろな物を見て、知って、どんどん次を知りたくなって親に質問をしてきます。
「うちの子は勉強が嫌いで困る」というママ、子供が勉強嫌いになる関わり方をしてしまっていませんか?
子供はやる気を失うと、学ぶ事を嫌がるようになってきます。
子供の「考える力」は、親が左右するといっても過言ではないのです。
そうならないために、「これ何?」の質問には、根気強く丁寧に答えてあげるようにしたいですね。