最近、何かとアレルギーが騒がれており、赤ちゃんのうちから動物と接触すると「アレルギーにならないか心配」と言うママがたくさんいます。
花粉やハウスダスト、動物の毛、食べ物など・・・アレルギー持ちの子はアレルギーの原因となるアレルゲンを気にしながら過ごさなければいけません。
外食やレジャー施設へのお出かけでさえ、何かと気を遣わなければいけません。
でも、実はアレルギーにならないためにも、1歳前に動物園に行く事が赤ちゃんのためになるのです。
動物園が赤ちゃんの健康に良い理由
研究結果から見えてきたもの
アレルギーに関する研究によると、下記のような事実が明らかになってきました。
赤ちゃんのうちに動物と触れ合った方が良い理由
人間は、2種類の抗体をもっています。
1つは「病原体攻撃型」で、ウィルスや細菌を撃退します。
2つめは「寄生虫攻撃型」で、寄生虫を撃退します。
アレルギーの原因は、寄生虫攻撃型の抗体が病原体攻撃型より多く作られることです。
どちらの抗体が多く体内で作られるかは、生後1年までの間に決まってしまうため、アレルギーになるかならないかは1歳までに決まるのです。
生後1年までの間に、動物達との触れ合いを通じて「エンドトキシン」という物質をたくさん浴びることで、アレルギーの引き金となる寄生虫攻撃型の抗体比率が下がります。
動物園は、空気中に動物の糞や雑菌がたくさんあり、動物がいる環境で過ごすことで、雑菌に対する耐性がつき、免疫力が上がるのです。
動物とのふれあいがもたらすもの
赤ちゃんのうちから動物と触れ合うことには、アレルギーになりにくいという事以外にも利点があるのです。
猫や犬などのペットと一緒に過ごす赤ちゃんは、ペットを飼っていない赤ちゃんよりも健康である確率が高くなります。
また、室内で飼育している動物よりは、屋外で飼育している動物と触れ合う機会が多い方が、赤ちゃんの健康にとっては良いと言われています。
そして、赤ちゃんのうちから動物と触れ合う事で、生き物に対する優しやさ思いやり、生き物を飼育する事に対する責任を学習できます。
言葉を離さない動物との心と心の交流は、情緒面の発達にもプラスに作用し、癒しの効果も得られます。
動物園に行こう!
動物との暮らしが赤ちゃんにとってはプラスになるとしても、アパートやマンション暮らしで動物が飼えない環境の人もたくさんいます。
そんな時には、動物園に足を運んでみましょう。
1歳前の赤ちゃんは、荷物も多く、オムツ交換台や授乳室があるかなど、環境面でも配慮すべき点がたくさんありますが、最近の動物園の多くは設備も充実しています。
お出かけに向いているのは、過ごしやすい春や秋の天気が良い日を選ぶと良いでしょう。
せっかくのお出かけで「赤ちゃんを楽しませてあげよう!」と張り切るパパやママが多いと思いますが、はじめは動物園の一角を散策するだけでも良いのです。
園内全部を回ろうと思うと、ママやパパも疲れてしまいますし、肝心の赤ちゃんは動物を見ても反応もなく、眠ってしまっているなんて事もあります。
動物園の空気を吸うだけでも、効果はあります。
ただし、「1歳前に動物園に行ったから、もうアレルギーにならないね!」と思うのは、間違いです。
アレルギーは遺伝しますので、パパやママがアレルギー体質の場合は注意が必要ですし、赤ちゃんによっては動物園に連れていく事が逆効果になる場合もあります。
無菌、抗菌にこだわりすぎないで
1歳前に動物と触れ合う方が良いという説がある一方で、動物の毛などは赤ちゃんに良くないという説もあります。
「赤ちゃんは抵抗力が弱いから、部屋も綺麗にしないと」と家中を掃除しているママも多いのではないでしょうか。
綺麗な空気と綺麗な空間は、確かに赤ちゃんにとっては過ごしやすい環境なのかもしれません。
でも、綺麗すぎる環境では、逆にアレルギーの発症率が高くなってしまうのです。
近頃は、外での砂遊びをする子も減り、家の中でも遊べる食物由来の砂で遊ぶ子も出てきました。
泥んこになって遊ぶより、家で汚れないように遊ぶ子が増えてきました。
その一方で、アレルギー体質の改善には、適度に雑菌のいる環境で過ごす事が大切だとも言われるようになってきました。
アレルギーになりにくい体質は、パパやママから赤ちゃんへの素敵なプレゼントだと思いますよ。